風の種
綿毛の子供達が飛び立とうと風が吹くのをまっています。
早く旅立ちたい綿毛達が言いました。
「おいらは風にのってどこまで遠くへ飛べるかが楽しみなんだ!」
母の元に止まりたい綿毛達が言いました。
「なんで僕たちは知らない所へ行かなくちゃいけないの…?僕はどこにも行きたくない!ずっとここにいたいんだ…」
そんな子供達に母が言いました。
「遠くへいくのはいいけど、あまり無茶したらだめですよ!」
「あなた達が飛び立とうと、留まろうとしているこの場所。お母さんも来たくてココに着いたのではないのよ。お母さんも飛び立つのは嫌でした…でも今あなた達の姿を見て初めて分かった事があるの!」
綿毛「何が分かったの?お母さん?教えて!」
「知りたい?」
綿毛「うん!早く教えてよ!」
その時でした…南から強い大きな風が吹き、綿毛達は全員飛ばされてしまいました。
母「あぁ…みんな行ってしまった。遠くへ行く気満々のあの子は大丈夫!でもここに留まりたいあの子は大丈夫だろうか…。それぞれの答えは、それぞれの行き着く先できっと解るはず…私も前のあの場所に留まりたかった1人…ここに来て飛ばされた答えがやっと分かったわ。あなた達を空へ旅立たせる為に、私は飛ばされた。その答えが今やっと分かったの、私の母も教えてくれなかった…。でも、飛ばされながら、この場所に着いてからも、ずっと考えていた。あの子供たちに教えてもらった。きっと母もその答えは知らなかったに違いないわ…みんなみんな風に乗ってそれぞれの旅をしなさい。」
ジョギングコースの土手のたんぽぽの囁きでした。
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