2017年07月09日
60分上空旋回からの500名との勝負

11:45分初の羽田→鹿児島行 JAL647便は軽快に羽田を飛び立ちまして、上空1万メートルの安定飛行に入りました。「落ちたらどうしよう…」と宝くじに当たるよりも低い確率事故をいつもの様に不安視しながら早く鹿児島に着いてと願っていました。
予定飛行時間は1時間25分。遅くとも13:30には鹿児島空港へ到着予定でした。鹿児島に近づき、霧島連山の山肌があちこちで崖崩れしている光景が上空から目にとまりました。先日の集中豪雨で福岡と大分では大きな被害が発生し、今も行方不明者の捜索と土砂災害の復帰作業が行われ18名の死傷者の方々の冥福を空から祈っていました。
「当機は間も無く着陸態勢に入ります。」のアナウンスで、やっと着くと少し安堵しましたが、それから恐怖の60分が始まりました…。
着陸寸前再び上昇…
「えっどうしたの?」
「皆様、当機は着陸を試みましたが、鹿児島空港周辺が大変天候が悪いため着陸を見合わせました。再び上空旋回し、着陸を試みます。」
生まれて初めての体験でした。離着陸時がエンジンのタービンに1番負荷が掛かり事故が起きやすいと聞いた事がある為、一気に緊張が走りました。時計は14時を周り、2度目の着陸態勢に入りました。
「皆様、当機は2回目の着陸を試みましたが、鹿児島空港周辺今だ大変天候が悪いため着陸を見合わせました。再び上空旋回し、20分程で再々着陸を試みます。」
ちょっと、ちょっと、ちょっと、ちょっと…
やばい、やばい、やばい、やばい…
タービン、タービン、タービン、タービン…
燃料、燃料、燃料、燃料…
ゆれる、ゆれる、ゆれる、ゆれる…
トイレ行きたいけど行けない…

上空でもWi-Fi入るので、同級生のいけぽんから旋回情報データがツイート…。ぐるぐるぐるぐるとかれこれ1時間が過ぎました。
「皆様、当機は3回目の着陸態勢に入りますが、着陸不可能と判断した場合は、止むを得ず福岡空港へと引き返す場合もございます事をお伝え致します。」
福岡、ふくおか、フクオカ…
福岡空港から鹿児島中央駅までの所要時間
2時間18分、もろもろ含め3時間はかかりますわよ…今夜のショーは19時から。逆算したら16時には福岡空港出なきゃ間に合わない。時計は14時20分、今から福岡引き返えしたら100%間に合わないぞ…98%着陸は無理とショーも出れないと、諦めていました。
「英明くん、あきめたら試合終了ですよ。」
「安西先生…着陸したいです…」
的な事を考えたりしてますと、3回目の着陸態勢に入りました。
つづく